2025年10月16日(木)、京都の出町柳にあるジャズカフェ「む〜ら」にて、ギタートリオでのライブを行いました。
今回のライブは、む〜らのマスターの企画によるもので、国際的に活躍されているギタリスト・清野拓巳さん、そしていつも一緒に演奏しているベースの斎藤敬司郎くんとの共演でした。
演奏の様子
清野拓巳氏について
清野拓巳さんは、関西・日本のみならず、国際的な評価を受けているギタリストです。
「大切なものは、目に見えない」
清野さんの10月スケジュールの冒頭に書かれていた文章が、とても心に響いたので、ここに引用させていただきます。ライブのMCでも、このような話をされていました。
「大切なものは、目に見えない」
星の王子さまのなかの、あまりにも有名な言葉。 美しい音楽、そしてミュージシャンたちとの出会いがあるたびに、この言葉の真実を再確認します。 ひとは目の前の音そのものに心動かされるのではなく、個々の中にある大切な何かが共鳴するからこそ音楽を求めるのでしょう。 何を演奏するのかではなく、何に向かって演奏するのか。 自分だけの、目には見えない大切なもの。 そのことを忘れないでいたいと思っています。
清野さんの世界を味わう
今回の演奏曲目は、全て清野さんのオリジナル曲でした。清野さん独自の音楽世界を、存分に味わうことができた贅沢な時間でした。
ジャズの中でもフリーインプロヴィゼーション(フリーインプロ)を交えた演奏が多く、普段とは違う脳の部分を使う必要があり、非常に刺激的な体験でした。
フリーインプロと向き合う
実は、大学在学中は練習時間のうち1時間を、しっかりとフリーインプロの練習に充てるくらい、この演奏形態が好きでした。
しかし、仕事としてジャズを演奏する中で、その世界を少しずつ忘れつつありました。
最近、また少しずつフリーインプロの演奏機会をいただくようになり、改めてこの世界と向き合っています。いい演奏ができるようになりたいと思っています。
インプロビゼーションの難しさ
ただ、インプロビゼーションは「何がいい演奏なのか」という明確な答えがありません。人それぞれの感じ方があります。
だからこそ、より自分の素が出る演奏形態だと思います。技術よりも、自分のメンタリティが問われる。そこが難しく、そして面白いところです。
ジャンルを超えて「音楽」を演奏する
我ながら、本当に色々な音楽をカバーしていると思います。でも、それもまた楽しい。
清野さんも実は激しいロックがお好きで、ライブ中にもそんなシーンがありました。もちろん、小さなお店なので、ボリュームにはかなり気をつけましたが(笑)。
一方で、清野さんはクラシックギターの演奏もされています。
私自身はクラシックまではカバーできていませんが、本当に色々なジャンルを演奏しています。清野さんもMCで話されていましたが、「ジャンルを演奏している」という感覚はなくて、ただ「音楽を演奏している」だけなんですよね。
自分の経験から思うこと
先ほどの清野さんの言葉「大切なものは、目に見えない」について、自分自身の経験で思い出すことがあります。
以前、左足を大きな怪我で負傷し、99日間入院したことがありました。退院後、再び演奏した時、音が見えるくらいに感じたのを今でも覚えています。
その時一緒に演奏していたのが、ベースの斎藤敬司郎くんでした。
目に見えないものを見る、見ようとすること。それは音楽にとって、とても大事なことなのかもしれません。
そして、それには自分自身のあり方が大切なのだと思います。
清野さんとの演奏から学ぶこと
清野さんとの演奏は、色々と考えさせられることが多く、いつも楽しみにしています。
音楽を通じて、自分自身と向き合う。 技術だけではなく、「何に向かって演奏するのか」を問い続ける。
そんな大切なことを、改めて感じる機会になりました。
次回公演のお知らせ
次回の清野さんとの共演は、かなり先になりますが、2026年5月21日に決定しました。
また皆様にお会いできることを楽しみにしています。
